3カラットダイヤモンドのリング [リフォーム]
センターダイヤモンドをペンダントトップにして、両サイドのテーパーダイヤモンドをピアスに作るご依頼です。
そのままの形で3つに分解して制作するデザインになりました。
全部のダイヤモンドを外してから細いノコ刃で切り分ける予定でしたが、仔細に眺めると、あちらこちらにロウ付け箇所がある手作りリングであることが分かりました。
一体化したキャスト枠ではないので、ちょっとハードルが高くなりましたが、きれいなジュエリーに作り変えたいと思います。
動くようにロウ付け [拡大]
WGのカットボールネックレスが切れたのでと、お直しのご依頼です。
0.8ミリ幅位のチェーンで、コマの一つの口が開いて中の軸が抜けた状態です。
ちょうどアサリやハマグリなどの二枚貝の口が開いたのと同じですので、閉じて固定すれば元のようにスムーズに動くように直すことができます。
これが、もし軸が引っ張り抜けたようになっている場合は、穴が大きくなっていますのでボールと軸をロウ付けします。ひとコマ動かなくなります。
軸を穴の位置にはめ込んで、口を閉じて、さらにしっかりと閉じて、0.2ミリ位の極小ロウを置いて、ロウ付け。
横のコマには熱が回らないように微調整した炎で作業します。
溶けたロウはボールの上だけに乗っているように温度調節しましたので、軸は自由に動くように出来ています。
あとは、磨いて、ロジウムメッキをして、完成です。
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サファイアが入りました。 [石留]
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ルビーペンダントトップに [リフォーム]
ヨーロッパの七宝 [リフォーム]
1970年代に作られたケルテックスパイラル模様のブローチですが、ペンダントトップとしても使えるように金具を取り付けるご相談をいただきました。
これは裏面です。
大きめのK18バチカンを用意していますが、その前に今の金具をきれいに取り外さなければなりません。
まずはお試しで、接着剤をそっと削ってみました。
削れます。
でも、七宝焼きですので、あまり力を入れすぎると割れますし、硬い工具でガラス面までをこすると本体が傷付きます。
途中で中止して、次は、鉄棒を赤く熱して金具に押し当て、伝わった数百度の熱で接着剤を焼こうとします。
一部分の接着剤が黒く焦げますが、このガラスの融点は高くなさそうですので全体に熱を回すことはためらわれて、やはりすぐにやめます。
100度くらいで接着力が弱るかどうかを試してみますと、OKでした。
いつものように初めからそうすれば手間はかかりませんでしたね。
本体にダメージ無く金具をきれいに外すことができましたので、安心して、これから他の作業に入ります。
ボールチェーンの修理 [ロウ付け]
ボールチェーンが切れたので、お直しのご依頼です。
切れたというよりもボールから軸が抜けたので、修理の方法はいくつかあります。
一番理想的なのはロウ付けしないで元のように元の穴にはめ込むことなのですが、一度抜けて大きく拡がっていますので、はめ込んでもそのままの状態ではまた抜けます。
穴をかしめて硬く硬化させるとよいのですが、穴の周囲の地金が薄く尖らせた唇のようになってしまっていますので、強度の点で少し難があります。
二番めはコマが動くように上手くロウ付けすることです。細いネックレスの場合はロウが横に流れてふたコマが固着してしまう場合が多いのでテクニックが必要です。
また、レーザーで狭い隙間の微妙な所を溶接すれば修理出来ますが、上手く作業出来ていないと、また抜けてしまうことがあるようです。
三番めは、隣同士のコマとコマをロウ付けで完全にくっ付けてしまうことです。
軸のスペース分を開けて自然な間隔でロウ付けする時と、ボール同士を直接くっ付けてロウ付けする場合があります。
これは二番めの方法の失敗作みたいですが、元からこの方法を選択しているのですから、気持ちとしても実際としても出来映えは成功しているとご理解ください。
今回のこのK18ボールチェーンのロウ付けは、ボールの片方だけに極小のロウを置いて、片方の棒とボールだけを固着させています。
青印しのほうが動くコマで、赤い印しのほうがロウ付けしているコマです。
チェーンは元どおりにスムーズに自由に動きます。
大成功。
0.7ミリ幅くらいのボールチェーンでは難しいですが、1.7ミリくらいの大きさですので余裕でした。
K18の大モノです [サイズ直し]
角ダイヤリング 腕少し太く [サイズ直し]
サイズ直しのついでに、腕を少し太くして曲がりにくくして欲しいとのご依頼でしたので、本来は6ミリ長ほどのサイズ直しでしたが、結果15ミリくらいの長さでプラチナ地金を厚く広くしました。
普通はリングの形に沿って6時の方向に徐々に細くするのですが、この場合はロウ付け位置の腕とほぼ同じ幅と厚さにしています。
3時9時の位置で下半分を太くすると30ミリくらいの長さで、ダイヤモンド以外の腕の部分全部を太くする場合は45ミリくらいの長さを加工することになります。
長いほど幅が広く厚くできます。
45ミリくらいの長さを交換する時は、今度はダイヤモンドを外してロウ付けしますので、石外しと石留めの工程がプラスになります。
これは、ヤスリをかけて、キサゲ、ヘラ、の工程を経て、バフ研磨して、ロジウム仕上げをしています。
ダイヤモンドペンダントトップのロウ付け [修理]
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Ptダイヤモンドリングを [サイズ直し]
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セミオーダーのヒスイリング [リフォーム]
斜めの鎚目 [雑学]
プラチナやシルバーに鎚目をつける時は、タガネで微妙に位置を調節しながら模様を打ちますが、ここでは『鎚目』として紹介している画像のほとんどの素材がチタンです。
小さなタガネで少々の力を加えても地金が凹んではくれませんので、この斜めの鎚目画像のリングは、面が線状になった大きな金鎚で力を入れて叩いて模様を付けています。
プラチナリングで作る時の10倍以上の力で叩きます。
また、使う工具の重量は大切なポイントで、おたふく鎚のような軽いものは選びません。
例えると、猛スピードの自転車がドラム缶にガッシャーンとぶつかっていった時と、普通スピードの大型トラックがドラム缶にズシンとぶつかった時の、円筒形のドラム缶のつぶれる形の違い、みたいなイメージです。
ぶつかる方の重量の重い方が、ぶつかられる方に深く大きく窪みが出来ます。
金鎚で模様をつけていく場合はそのような感じを考慮して制作します。
鎚目のこと [雑学]
これは平打ちリング、つまり、円柱のパイプ状のリング表面を平らな金鎚で叩いた時の鎚目跡です。
円柱曲面を平面の鎚で打つと、出来る模様も平面になります。
同じく、球の表面を平らな金鎚で叩くと、平面の模様ができます。
甲丸リングに鎚目をつけるのと同じ感じです。
平らな金属板を平らな金鎚で叩くときれいな鎚目跡は付きませんので、きれいな鎚目をつけたい場合は虫めがねの凸レンズのように少し膨らんだ曲面の金鎚で叩きます。
この場合は丸く窪んだ鎚目跡がつきます。
リングに鎚目をつける時は、凸レンズ状の金鎚を使い分けて模様をつけます。
きれいに見えるようにするには、大きさを揃えたり、位置を均等にしたり、深さを均質にしたりしますが、一部分に小さな三角形があってもきれいです。
また、6角形や5角形や4角形3角形をランダムに配置してもきれいです。
これは、打つ位置や打つ順番を考慮して、計算を済ませた上で制作を進めます。
考えずに適当に打つと失敗作に見えることがあります。
また、金鎚で直接地金を叩くのではなく、タガネの先に膨らみをつけて反対側を金鎚で叩き、それで模様をつける方法もあります。
地金を凹ませるとその分の地金が横へはみ出しますので、だんだん指輪幅が広くなります。
何度も叩くと厚さも薄くなっていきます。
また、指輪サイズも少しずつ大きくなっていきます。
そして、地金がだんだん硬く絞まってきます。
注文品のサイズや幅や厚さが決まっている指輪を作る時は、事前にその分を計算に入れてから制作を始めます。
チタンマリッジリング [マリッジ]
誰の七宝焼き? [謎]
断捨離の真似事をしようと思って朝から仕事場の段ボール箱を片付けていると、半透明のプラスチック容器に入った七宝焼きがいくつか出てきました。
この出来具合は子供の作ったもののようだ…。
いったい誰が作って誰が残しておいたんだろう…?
確認してみると、私が作って私が残しておいたもの、と…。
え…?
思い出せない…。
よくよく話しを聞いてみると、30年近く前に小さな電気炉を買った時、友人が七宝焼きの材料を持って来てくれて、それを銅板の上に並べて電気炉の蓋を開けて上から底に入れて試し焼きをしてみたと…。
古い記憶を辿ってみると、確かにそういうことがあった…。
謎が解けた。
え、じゃあ、これはやっぱり自分が、作った…?
出来映えは二の次に、いや、懐かしい…。
出てきてよかった!
掃除はするものですね。