しっかりとロウ付け [時計]
ステンレス時計バンドのお直しのご依頼です。
力がかかる部分で、修理しても同じところが何度か折れていますので、今度はもっと頑丈に直します。
板を当てて補強して、たっぷりのロウで固めます。
このあとは余分なロウを削って形を整え、きれいに磨きます。
どこかがプツンと [修理]
取り巻きのリング [サイズ直し]
チタンの結婚指輪 [マリッジ]
ロウ付け作業します [修理]
どこにもないジュエリーを [リフォーム]
オパールリングをイメージチェンジ [リフォーム]
軸の抜けたボールチェーン [拡大]
カット面のついたプラチナのボールチェーンのお直しです。
使えるように繋ぐ方法はいくつかあるのですが、穴が大きくなっていない場合は、抜けてしまっていた軸を差し込んでからボールをしっかりと閉じてあげれば一応出来上がりです。でも、またすぐにボールが開いて軸が抜けてしまうことが多いですのでロウ付けをすることになります。
ロウ付けの位置はケースバイケースなのですが、穴にはロウを流さずにボールの表面にロウを流して合わせ目だけを固着する場合と、穴と片方の軸だけを固着してしまう場合と、ボール同士を固着する場合とがあります。ボールの直径は0.6ミリとか0.8ミリとかです。
修理の依頼がけっこう多いですので、10年以上前からよく思うのですが、マシンがチェーンを作った後にレーザーでボールの合わせ目の真ん中を一か所溶かしつけることをすればボールの口が開かなくなります。
もっといいのは、ボールの穴のすぐ脇の合わせ目を2か所、左右ともレーザーで点で溶接するようにすれば口が開かず完璧です。見た目もきれいですし。
でも、機械代金がアップすればマシンチェーンの代金に影響しますから、やはり難しいのでしょうか…?
全部のボールを溶接すると1本のネックレスで千か所位は作業が増えますので大変かもしれませんね。
やはり、今まで通りのボールチェーンで、口が開いて切れたら修理に、という時代が続くのかもしれませんね。
ブレスレットのゴムが切れそうに [ジュエリー]
プラチナリングのサイズ大きく [サイズ直し]
お預かりしたプラチナのリング下部に一か所黄色っぽいところがありました。
ここが昔にロウ付けされたところで、プラチナ以外の成分を配合して融点を低くしたロウが、使用中の汗などで錆びて変色しているのです。
他にもロウ目があるかなとトーチの炎で軽く炙ってみると、もう1本線が見えてきました。今度はロウに混ざっていた卑金属が酸化して黒くなりました。
2ゲージあまり大きくする予定でしたが、すでに4ゲージほど大きくなっているところにそのまま地金を足すとロウ目が3か所になりますので、そういうことを避けます。
2か所のロウ目にノコ刃を入れて真ん中の地金をカットしてしまいます。
その後、改めて6ゲージあまり大きくなる分のプラチナ地金を作って、挟んで、ロウ付けします。
これで丈夫になります。
サイズが予定通りに出来ますと、ヤスリでなだらかに削って形を整えて、キサゲ、ヘラ、バフの工程に進みます。
もともとの指輪本体の幅や厚さを変えないで作業するところが腕の見せ所でもあります。
手作りペンダントトップを [メンテナンス]
極小の刻印 [拡大]
ガーネットのピアスです。
ポストが曲がって宝石が滑り落ちそうになるので直して、というご依頼をいただきました。
直径が0.5ミリのポストを鋭角に曲げて洗浄して修理完了です。
『K14』と読める刻印は0.2ミリくらいの寸法です。
肉眼では、針で突いたようなキズあとにしか見えませんが、ルーペで拡大してみると、レーザーで焼いて文字を入れたのではなく、しっかりと地金が凹んでアルファベットと数字が打ち込まれていることが分かります。
金属で作られた微細な文字刻印をWGの丸線側面に打ち込んであるところを目で確認すると、すごいことだなと、毎日見て知っていても、今更ながら感心してしまいます。
人間の産み出す様々な技術は凄いですね。
イヤリングの滑り止めに [修理]
ピアスをイヤリングに [リフォーム]
チタンのマリッジリングです [マリッジ]
純チタンで創作する結婚指輪は、1993年に神戸市の方や明石市の方からご依頼を頂いて以来関西方面で制作を続け、2000年にインターネットでご紹介すると、関東地方からのご依頼を初め、北は北海道利尻島から南は沖縄まで日本全国の各県から創作のご依頼をいただき、ニュージーランドや中国からも依頼に訪れてくださり、アメリカやフランスからもメールなどをいただきました。
一本ずつ手作りする指輪は同じものが他にはなく、機械加工には無い人の手が作る温かみがありますので、とても喜んでいただいています。
お好きな図案に加わえてオリジナルに考案した図案をミックス、さらに他にはない素敵なマリッジリングが生まれています。
いつまでお幸せに。
割れたロウ目 [サイズ直し]
ゴールドとプラチナとのコンビリングです。
Pt900とK18の刻印が打ってあります。
すでにサイズ直しがしてあるかどうかの確認をするために、軽く炎で炙ってみると、ロウ目が見えてきました。
リングがいくらか歪んでいたので木槌で軽く叩くと、ロウ目がポコンと外れて隙間が開きました。
ロウが枯れていたらしく、切れる直前のようでした。
ノコ刃で切断する手間は省けましたが、不要なロウが付いていますのでそれを削り取り、間に地金を挟んで2か所ロウ付けしました。
Pt900の刻印から1ミリほどしか離れていないので、ロウを文字の上に流さないように温度調節をして、うまく作業できました。
あとはヤスリをかけて、仕上げて完成です。
今日は開店する時間に来客の予定があるので、そろそろ寝ます。
最近のお買い上げ品 [本日の1枚]
もう一枚撮影していました [修理]
完成できたストーンカメオ [修理]
無くなっていたブローチの針と枕を取り付ける修理加工の最終段階です。
枕に通すK18軸は小さなおたふく鎚だけで軽く叩いてもいいのですが、カメオ枠側には鎚が入りませんので、タガネも使って叩きます。
この場合は、枠を固定する手とタガネを持つ手と鎚を持つための三本の手が必要になりますが、一人では二本しかありませんので片手で枠とタガネを工夫して持って、もう片方の手で鎚を振るって軸の頭を打ちます。
均等に丸く打つことが出来れば、一旦その部分を磨いて具合を確かめて、良ければストーンカメオを枠にはめ込みます。
4本の爪を折れないように、カメオを欠けさせないように注意ながら、そっと倒してカメオが動かないように固定します。
ニッパーでカットしていた針の先を尖らせるところを撮り忘れましたが、短くなりすぎないように気をつけて衣服に突き刺さりやすい形にヤスリで形作り、ピカピカに磨いておきます。
この時ヘラでしっかりと擦って硬化させておいてあげれば、曲がりにくく丈夫になりますので親切な加工仕事といえます。外からは見えない工程ですが、省かないことをお勧めいたします。
このあと、全体を磨いて照りを出し、洗浄、乾燥、検品して完成です。
岡本太郎のペンダントを [メンテナンス]
ヘラ仕上げのプラチナリング [メンテナンス]
幅0.6ミリのプラチナベネチアンネックレスを [ロウ付け]
直径1.5ミリ位の丸カンとベネチアンネックレスの端のロウ付けが外れてしまっています。
普通の手順としては、側にある丸カン同士がうっかりとくっ付いてロウ付けされてしまわないように、先に大きいアジャスタ丸カンのロウ目部分をカットして、右側の小さな丸カンを外します。
その場合はロウ付け箇所が2か所になります。
これはプラチナのチェーンですので、作業中に溶けてしまうことはまずありませんし、ロジウムメッキの必要もありませんし、コンディションも万全なので、そのままロウ付けすることにしました。
ロウ付け箇所にフラックスを塗って、小さなロウを置いて、炎を極小に絞って注意深くロウ付けします。
0.5ミリも左側にロウが流れると丸カン同士が固着してしまって失敗です。
何があっても、そうなってはなりません。
うまくロウ付けできましたので、このあとはロウ目や0.6ミリのチェーン全体を研摩仕上げして完成させます。
ブローチ針の固定に [制作]
風車の足元も無事固定できました。
華奢なイメージに枠が作られていますので、補強もゴツくならないように、それに合わせてしています。
酸洗いとバフ磨きも一旦済ませましたので、ゴールドが輝いてきました。
次は、針を取り付ける段階です。
枕側に、軸になるゴールド丸線を通してからかしめて固定しますので、まずは穴の周りを面取りします。
これは先にしておいたほうが、しっかり固定できて見栄えがきれいです。
直径0.9ミリの丸線の針の先をカメオ枠の幅に合わせてカットして、残りの丸線を軸に使います。
1センチ弱の長さになった丸線を枕の穴に通して、ニッパーでカットして、両端をヤスリで平らにします。
0.5ミリあまりの地金を枕から出したまま残して、これを叩いて丸くつぶして針を固定します。
ブルガリのネックレスを [ロウ付け]
ゴールドのボールを足下に [拡大]
風車の下部を補強するためのパーツを作ります。
K18丸線をニッパーで小さくカットして、いつも使っている耐火煉瓦のようなプレートの上にいくつか並べます。
トーチの炎の勢いでゴールド片が吹き飛ばないように気をつけながら炎を当て、酸素量を増やして温度を上げて溶かします。
ゴールドは溶けると、水滴のように表面張力で自然と丸くなります。
できたK18イエローゴールドのボールは銅などの成分が酸化して赤っぽくなっています。
今は表面に皮膜が付いていますが、酸にくぐらせるとそれが取れて、金色に輝くようになります。
0.5ミリとか0.7ミリとかのスペースに合うボールを選んで、目立たないように風車の足下の左右に置いて、これをロウ付けするようにします。
0.3ミリの幅で | の字形に固定されていたものを、コの字形に付けることになりますので、丈夫になります。
ストーンカメオのパーツが付きました [ロウ付け]
あのあと、低温のロウを置いて枕をきれいにロウ付けできました。
こういったパーツをロウ付けする時は、高温ロウを使うと薄い本体やパーツが溶けてしまうという心配と、鈍ってしまうという心配もありますので、低いめの温度で溶けるロウを使うことが多いです。
また、元々使われている金ロウの融点が不明ですので、もし低融点のロウを元から使ってあった場合は、それより低い温度のロウを使わないと、高温のロウが溶ける前に枠の固定箇所がバラバラになってしまったりすることもあったりします。
これで、0.3×2.0ミリから、ほぼ1.0×2.0ミリくらいの広い面積でロウ付けできましたので、安心です。
あと、反対側の風車パーツが0.3ミリ幅の枠の縁にくっついたままで、いずれ折れて取れてしまうこれが心配ですので、予定外ですが補強修理することにします。
お預かりする時に、こちらも修理しますか?と質問していれば、Yes・No の返事をもらえていて、気を揉む必要も無かったのですが、やはりこのまま放置することは気になります。