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自然に外れたダイヤモンド [謎]

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サイズ直しで預かったK18イエローゴールドのリング。
内側に汚れが詰まっていたので、先に超音波洗浄をしました。

5分後、洗浄器の液の中から指輪を取り出して見ると、ダイヤモンドがひとつ無い。

超音波洗浄器の液を全部別の容器に移して、超音波洗浄器の底を見ると、四角いダイヤモンドが一粒キラリ。

もともと外れそうになっていたダイヤモンドが、汚れでくっついていただけの状態だったようです。

調べてみると、外れた部分の左右のダイヤモンドもグラグラ動いていました。

だいぶん長く使われていた痕跡はたくさんありますが、指輪が曲がっているわけでもなく、レール爪が起きているわけでもなく、爪部分が削れているわけでもなく…。

超音波振動だけで外れた原因がよくわかりません…。
普通は、洗浄する行為で宝石が外れるはずもありません。

こんな場合、依頼者は指輪を渡した時はなんともなかったんだからと事実を主張したいでしょうし、依頼されたほうも加工の前に汚れを洗っただけでなにもしていませんと事実を言いますし、堂々巡りになりますからまったく議論はしません。

自然に外れたダイヤモンドがありましたけど、無料できれいにお直ししておきました。
と、納品時に話して、依頼者は初めは意味が飲み込めずにぽや〜んとした表情になって、無料で元通りになってるのならまぁいいか、と心の中で納得されて、何事もなかったように終わっていく…。

ジュエリー修理を担当する人しか経験しないこんなことって、割とよくあるんです。

石留め時の加工に問題がある場合は、使用し始めてすぐに宝石が外れてしまいますが、数年後にダイヤモンドが外れる原因は謎…。

しかもジュエリーの表面の状態がなんともないように見える時は、なおさら…。


指輪が自然にプチンと口を開ける原因については、10数年前にホームページで説明をしましたので、今では指輪が自然に切れることを不思議がる人は私の周りでは少なくなりました。


この指輪は、きれいに直りました。



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