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普通は見ることのできない場所 [拡大]


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指輪の切断面。

厚さ2ミリくらいまでのリングにはまず無いと思いますが、それ以上の厚さがある所には地金の中心部に空洞がある場合があります。

手作りの鍛金技法で制作した指輪にはこのような空洞は存在しません。

中心の空間は、分厚いものを鋳造したときにまれに出来ることがあるのです。

融けて鋳型に流れ込んだ金属が初めに固まるのは、金属よりも低い温度である鋳型に接している製品の表面になるところから。

微妙なタイミングで後から固まる中心側の金属は、冷えることで体積を縮ませながら中心部に空洞を作っていきます。

この空洞を作らないようにするには、湯道の位置や太さを工夫したり、湯や鋳型の温度を調節したりして対応します。



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カットボールを滑らかに [拡大]


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直径1.2ミリのカットボールネックレスチェーン。
黄色丸印の位置でボールが潰れ開いて中の軸が抜けてしまい、切れたチェーンのお直しを承っていました。

黄緑色部分にロウを流し、緑色丸印で軸とボールをロウ付けしました。

オレンジ色矢印のところは自由に動きますので、K18イエローゴールドネックレスは滑らかにお使いいただけます。



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三角がシャープな形に [拡大]

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IMG_7223.JPG
溶接もロウ付けもしないで、純金と18金とチタンを一体化させることができました。

照り出し仕上げを施せば本日完成します。

お待たせいたしました。



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指輪のダイヤモンド裏の様子 [拡大]

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IMG_4742.JPG
毎日使われていると、いつのまにか汚れがたまって、ダイヤモンドが見えなくなっています。
左の画像、これはとても頑固な汚れで、きれいになるまでに30分あまりかかりました。

10分程度の超音波洗浄ではまったく歯が立たず、ブラシで突き洗いをしても効果は薄く、湯で柔らかくして楊枝で突き崩して、いろいろなものでかなりガシガシこすって、ようやく右の画像のようになんとかなってきました。
なんだか指輪の内側のくぼみに鍾乳石が成長したような感じでした。

いつもキラキラと楽しめるように、早い目に時々メンテナンスに出されるといいですね。

このあと、仕上げ磨きを施します。



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K18アズキチェーンをロウ付け [拡大]


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切れてしまったK18イエローゴールドのアズキネックレスをつなぐ、お直しのご依頼をいただいていました。

左上の画像は、切れていたチェーンのコマに切れていないコマを引っ掛けて、口を閉じ、ピンセットで挟んだところです。
わずかに見えている青色の印しのコマが切れている方、赤い印しのコマが切れていない方です。

右上は、フラックスを塗って、金ロウを置いた時の画像です。

楕円形のチェーンのひとコマは、外寸で長い方が1.4ミリ短い方が0.8ミリ、金線の太さは0.25ミリです。
コマの内側の隙間にはノギスが入りませんが、0.9ミリと0.3ミリと思います。

左下は、炎を当ててロウ付けを済ませたところです。
フラックスが溶けてガラス化し、ロウの上やコマの内側に盛り上がって付いていることが分かります。
ピンセットの一部に付いていたフラックスも溶けてガラス化しています。

右下は、背後にスケールを置いて撮ってみました。

このあとは余分にはみ出たロウを0.05ミリほど削って、磨き仕上げをしていきます。



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貴金属3種のリング [拡大]

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指輪全体を磨き終わった時に最上部のクレーターを撮った写真です。

このホワイトゴールドとイエローゴールドの穴の中にはダイヤモンドを入れます。

ホワイトゴールドの穴にはプラチナの爪をロウ付けして、全体に10ピースのダイヤモンドを石留めする段取りで制作を進めています。



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安全のため2コマを [拡大]


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スクリューキヘイネックレスが切れたとか、丸カンから外れたとかの理由で修理のご依頼をいただいた時は、必ず2コマを丸カンに引っ掛けてお直しします。

緑丸の下が丸カンで、赤丸の上がチェーンのコマを2コマ引っ掛けた拡大画像です。

もしどちらか1コマが切れても、もうひとコマが丸カンと繋がっていますので、ペンダントトップが下に落ちたり首からネックレスが外れたりしません。

ほとんどこのような説明をしてきたことはありませんが、これはひと手間かけたささやかな気配りでした。

拡まるといいですね。



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かなり出ている宝石 [拡大]

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中石の下側の尖った先がリングの指馴染みより外に出ていることに気がつかないでサイズ棒に通すと、宝石の一部分が欠けることが起こります。

尖ったキュレットが当たらないようにサイズ棒の片側が面取りしてありますので、その位置に宝石を持ってきて通すと安心です。



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サイズ直し手順 [拡大]

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先日のPt赤カボ石リングをサイズ直しした時の手順画像です。

手作業の時はいつもほぼ同じ方法ですが、これはサイズ直し痕を初期段階で確認できましたので、元の地金をカットしてしまって、新しく大きな地金を挟んで2か所だけのロウ目になるようにサイズお直しをしました。費用は同じのサービスこだわり修理で行いました。
ロウ目は、初めに炎で地金を炙って判断しやすくします。


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現在は、チタンのマリッジリングやエンゲージリングやデザインリングで、納期直前になっていたり納期が近づいてきたりしているフルオーダーの7本を、ほぼ並行して同時に制作しています。



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いつも緊張するエメラルドの加工 [拡大]

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初めはこんな感じ。
日本の高度成長時期にお求めになられた、かなり立派なお品です。
リングのエメラルドが特に美しいです。

ペンダントの三角形のバチカンは外さないで、そのまま下に向けて揺れるチャームとされるご希望でした。

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ルーペで拡大し子細に見てみると、ペンダントのほうは4本とも爪が浮いて、エメラルドとのスペースに接着剤が充填してありました。
リングのほうの爪は全部プラチナ地金で石留めされていました。

これはアラ探しをしているのではなく、加工中に割れる危険性が一番高い宝石であるエメラルドの全体像を把握して、安全にリフォームするための下準備なのです。

エメラルドは工具で力を加えると、フォークの背で瓦煎餅を押したようにクシャっと割れます。
この宝石は、加工する者にとっては非常に怖い宝石で、慎重の上にも慎重に注意深く取り扱うべき貴石なのです。

ペンダントのほうはうかつに爪を起こすと、接着してあるあたりの一部がピシッと欠けたりします。
安全を模索しながらいろいろな手を加えて、エメラルドを枠から外せるまでに丸2日の時間がかかってしまいました。

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天然エメラルドは、宝石の内部などにヒビや内包物があっても普通のこととされる宝石です。
宝石の全てをあらゆる角度から時間をかけて充分に眺め尽くして、心を決めてから作業に取り掛かりました。



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細心の注意を払って [拡大]

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宝石は、初めからこのようなヒビが入っていると、普通はジュエリーには制作加工しませんが、エメラルドだけは別格で、指輪やペンダントになります。

サイズ直しのご依頼がありました。

振動を与えず、石に力を加えず、そーっと糸ノコでカットし、そーっと地金を曲げ、そーっとロウ付けし、そーっとヤスリ加工し、そーっと磨き、そーっと洗浄し、そーっと乾燥させました。

普通の何倍も長く時間がかかりました。

ヒビが大きくなることも無く、割れて爪から外れてしまうことも無く、まったくのノーダメージで上手くサイズ直しできました。

めでたしめでたし。



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マイクロメーターで [拡大]


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以前はプラチナのアズキネックレスをマイクロメーターで測ってみましたが、今回はゴールドのスクリューチェーンを測ってみました。

線径は0.165ミリよりももっと繊細な0.11ミリでした。

実用性とデザイン性を兼ね備えた微細な品を作る人間の技術は素晴らしいですね。


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サビた爪 [拡大]

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お預かり品のホワイトゴールドジュエリーの爪が、想定外の所で折れました。

ひとつは線爪、もうひとつは板爪。
ほとんど力を加えていないのに、ロウ付けされていた個所でポコンと。

拡大してみるとロウが枯れていることが分かります。
ロウ付けしてあった部分が錆びて脆くなっていたのですね。

この部分をロウ付けで修理したホワイトゴールドは、その後ロジウムメッキをしてあげなければなりません。


…さまざまな素材に長所短所はありますが、いろいろ勘案しますと、貴金属ジュエリー素材は、やはりK18イエローゴールドとプラチナ900が最良、との思いを深める今日この頃でした…(^^;;






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チタンリング内側に文字入れ [拡大]

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指輪の内側に文字刻印すると、文字の周囲にバリが出ます。

彫る、打つ、引っ掻く、溶かす、酸化させる、など文字刻印の方法はいろいろありますので、バリの出方もさまざまです。

この場合は引っ掻く方法で文字を深く入れました。
引っ掻くと、ミゾになった部分の地金が横へ押しやられてバリになります。
深くすると明瞭で消えない文字を入れることができますが、バリが大きくなりますので、バリ取り工程をしっかりと行います。

それぞれのジュエリーメーカーが所持する機械もさまざまですので、独自に工夫してよい加工方法を探します。
レーザーで文字を溶かし入れた場合は、微細で複雑な文字を刻印できますが、文字が浅くなりますのであまりバリ取りはしないほうがよいことになります。

チタンリングの内側に出たバリを取り除いて、きれいに磨き上げました。
もうすぐ完成です。
お待たせいたしました。




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ロウ目出ました [拡大]


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プラチナリングのサイズ直しをする時に、前もってトーチの炎を当てて昇温し、すでにサイズ直しがしてあったかどうかを確かめます。

プラチナの場合は、昇温によって融点の低いプラチナロウが溶けますので、本体との違いが線になって判別できます。

K18ゴールドの場合は、合金成分が酸化して、本体の色とロウ付けか所の色が違って見えます。

切断か所はロウ目の上です。



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ダイヤモンド クラリティ [拡大]


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インクルージョンを拡大してみました。

キラキラ輝いていますので肉眼では判別しにくいですが、クラックやキャビティやフェザーやカーボンが分かります。

このような感じですと I クラスですが、現在のエンゲージリングではほとんどが最高クラスのダイヤモンドを選ばれるようになりました。

40年近く前ではVS-H-VG あたりのグレードが一般的な感じでしたが、より良いものを求めて年々グレードアップしてきて、最近では3EX-ハートアンドキューピッドを選ばれる方が多くなり、もうこれ以上には上がないという辺りにまでたどり着きました。

今後はどう変化していくのかが楽しみでもあります。



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宝石の石留め [拡大]

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カボションカットの宝石の爪を倒して石留めします。
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元の4本爪は角形でしたが、中石が丸いですので、デザイン上の雰囲気が揃うように爪も角を落として丸く作り変えています。
爪はプラチナです。

対角線位置の爪を少しずつ、4本をまんべんなく徐々に均等に倒して宝石が動かないように固定していきます。

ポイントは、下部から少しずつ傾けていく、ということです。

石留めしても、いつも石がグラグラ動いてしまって困っている、という方がおられるのなら、そこのところにこれからは気をつけてください。
きっと上手くいきます。
上の一行は給料の3か月分以上の価値があります^^

先端を先に曲げてしまうと失敗です。

自動車の座席に座るとき、シートベルトをしないで頭だけを誰かに押さえてもらっても腰は左右に自由に動きます。
でも、腰位置のシートベルトを先に締めて、あとから頭を押さえられると、身体はあまり動かせなくなります。
それと同じです。

下の方から段々と上部が曲がっていくように工夫して爪を倒します。

プラチナ地金が幾分潰れますので、それは目の細かいヤスリで最後に形を整えます。
間違っても宝石にヤスリを当ててはなりません。

形がきれいにできると、あとはヘラで光沢を出します。
この時も、うっかり宝石にヘラを当ててしまうと、宝石が欠けたり割れたりしますので、充分に注意深く繊細に作業します。

最後は研磨剤を付けて、照り出し作業をします。

超音波洗浄ができないような割れやすい宝石の場合は、使用可能な薬品やブラシでていねいに洗います。





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硬くて起きない… [拡大]

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これはなんでしょう?

これは、ジュエリーの爪を起こして宝石を外そうとする過程の画像です。

プラチナと宝石の隙間に工具を挿し入れて、宝石に密着しているプラチナ爪を起こそうとするのですが、隙間が狭くてしかもどうしたことか爪地金がとても硬いので、まったく宝石を外すことができません。

そこで、石にダメージを与えないうちに別の方法を選択しました。

爪幅は約1ミリで長さが2ミリあまりです。

どうしているところかと言いますと、右の画像では
爪の根元の途中まで糸ノコで切れ目を入れています。

糸ノコの刃の厚さは約0.3ミリです。

ノコ刃で切断ギリギリのところまでのプラチナ地金を取り去ってしまえば、あとは人差し指の爪を使ってでも起こすことができます。

宝石との隙間が開き、ノコ刃で取り去った地金のところは三角形の空間になりました。

最後の画像は、プラチナ爪をまっすぐに戻してから、0.3ミリの隙間に0.3ミリ厚さのプラチナ地金を挟み込んでロウ付けして、ヤスリで少し形を整え始めたところです。

予定外のことがありますと、こんな感じで加工を進めていくこともあります。



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刻印 [拡大]


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直径0.9ミリの丸線の側面にK18の文字が入っています。

文字の背の高さは0.5ミリ位でしょうか。

小さいし深く掘れているし歪まないで真っ直ぐに入っているし、パーツメーカーの技術というか打刻する機械の性能というか、それらの素晴らしさに感心します。

裸眼でこの文字は見えますが、品物によってはもっと小さな文字も打ってあります。
そのような文字はルーペで確認します。

微細な加工をしていく人間の能力に驚きますが、ジュエリー制作の修行は2センチの世界に慣れていく過程でもあります。






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粘りつく純金 [拡大]


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純金の品物をヤスリ掛けすると、数回往復するだけでも、粉になった純金がヤスリの目に詰まってきます。

これは極細の目の細かいヤスリを拡大した画像ですが、このような感じで張りついてきて、削る能率が悪くなります。
でも、仕上げ直前の段階では、詰まった目がヤスリの刃を浅くしてくれて、むしろ助かる場合もあります。

詰まったヤスリ目のメンテナンスはどうするかと言いますと、金属ブラシをヤスリ目の流れに沿ったり逆らったりと動かして、純金を擦り落とします。
どうしても落ちないものは、ピンセットの先などでピンポイントに狙って掻き落としたりします。

純金の削れ加減は快削ともいえる心地よい感触です。



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軸の抜けたボールチェーン [拡大]

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カット面のついたプラチナのボールチェーンのお直しです。

使えるように繋ぐ方法はいくつかあるのですが、穴が大きくなっていない場合は、抜けてしまっていた軸を差し込んでからボールをしっかりと閉じてあげれば一応出来上がりです。でも、またすぐにボールが開いて軸が抜けてしまうことが多いですのでロウ付けをすることになります。

ロウ付けの位置はケースバイケースなのですが、穴にはロウを流さずにボールの表面にロウを流して合わせ目だけを固着する場合と、穴と片方の軸だけを固着してしまう場合と、ボール同士を固着する場合とがあります。ボールの直径は0.6ミリとか0.8ミリとかです。

修理の依頼がけっこう多いですので、10年以上前からよく思うのですが、マシンがチェーンを作った後にレーザーでボールの合わせ目の真ん中を一か所溶かしつけることをすればボールの口が開かなくなります。
もっといいのは、ボールの穴のすぐ脇の合わせ目を2か所、左右ともレーザーで点で溶接するようにすれば口が開かず完璧です。見た目もきれいですし。

でも、機械代金がアップすればマシンチェーンの代金に影響しますから、やはり難しいのでしょうか…?
全部のボールを溶接すると1本のネックレスで千か所位は作業が増えますので大変かもしれませんね。

やはり、今まで通りのボールチェーンで、口が開いて切れたら修理に、という時代が続くのかもしれませんね。





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極小の刻印 [拡大]

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ガーネットのピアスです。
ポストが曲がって宝石が滑り落ちそうになるので直して、というご依頼をいただきました。

直径が0.5ミリのポストを鋭角に曲げて洗浄して修理完了です。

『K14』と読める刻印は0.2ミリくらいの寸法です。
肉眼では、針で突いたようなキズあとにしか見えませんが、ルーペで拡大してみると、レーザーで焼いて文字を入れたのではなく、しっかりと地金が凹んでアルファベットと数字が打ち込まれていることが分かります。
金属で作られた微細な文字刻印をWGの丸線側面に打ち込んであるところを目で確認すると、すごいことだなと、毎日見て知っていても、今更ながら感心してしまいます。

人間の産み出す様々な技術は凄いですね。






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ゴールドのボールを足下に [拡大]

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風車の下部を補強するためのパーツを作ります。

K18丸線をニッパーで小さくカットして、いつも使っている耐火煉瓦のようなプレートの上にいくつか並べます。

トーチの炎の勢いでゴールド片が吹き飛ばないように気をつけながら炎を当て、酸素量を増やして温度を上げて溶かします。

ゴールドは溶けると、水滴のように表面張力で自然と丸くなります。

できたK18イエローゴールドのボールは銅などの成分が酸化して赤っぽくなっています。
今は表面に皮膜が付いていますが、酸にくぐらせるとそれが取れて、金色に輝くようになります。

0.5ミリとか0.7ミリとかのスペースに合うボールを選んで、目立たないように風車の足下の左右に置いて、これをロウ付けするようにします。

0.3ミリの幅で | の字形に固定されていたものを、コの字形に付けることになりますので、丈夫になります。



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0.3ミリ厚のゴールド枠を補強します [拡大]

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ストーンカメオのブローチ金具の枕が取れたところの地金が無くなってしまって曲がっています。

枠の厚さは0.3ミリですので、そこを分厚くして頑丈にします。
0.7×1.0×2.7ミリのパーツを作って、まっすぐに直した枠にロウ付けします。

本体にまずパーツをロウ付けします。
少しでも温度を上げ過ぎるとブローチ枠本体が溶けてしまいますので、低い方から2番目の金ロウで付けます。

きれいにロウ付けできましたので、これから位置と角度と向きに注意して、一番低い温度で溶けるロウで注意深く枕をロウ付けします。




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プラチナをヘラ磨き [拡大]

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すでに二つに割れている宝石が伏せ込まれて落ちないで上部についているので、木槌は使えなくて、超音波洗浄もできなくて、機械の振動も与えられなくて、それでも指輪をきれいにして欲しい、とのご依頼です。

まず、ぬるま湯に長い時間浸けて汚れを柔らかくしてからブラシ洗いをしました。

プラチナ表面には小傷や深い傷が付いていて、その中に砂埃などがまだ詰まって残っているはずです。
宝石部分を指で押さえて、ほんの一瞬だけ指輪下部の宝石以外の三分のニくらいを超音波洗浄します。

あとは、宝石に力が加わらないように気をつけながら、ヘラで擦って小傷をつぶしていきます。

指輪全体の小傷を無くすにはかなり時間がかかります。
ヘラを握って前後に動かす指も痛くなります。

艶消し状態が少し光り始めて、さらに磨いてプラチナ表面にカメラのレンズが写るようになってきました。
でも表面が凸凹ですので、さらに磨きをかけて平らな鏡面にまで持っていきます。

割れやすい宝石がついているジュエリーを磨き上げるのは、大変な作業になります。
時間と根気とテクニックが必要です。



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ホワイトゴールドチェーンの修理 [拡大]

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WGカットボールネックレスが切れたのでロウ付け修理のご依頼です。

直径0.65ミリのボールの口が開いて、軸が抜けています。

もう少し開いて軸をはめ込み、ボールを潰さないように気をつけながら口を閉じます。
赤い色は、場所を見失わないためにマジックインキをつけています。
これは作業時間の短縮のためにぜひ必要なことです。

フラックスをつけて、小さなロウを置いてロウ付けします。
細いホワイトゴールドですので、トーチの温度を高温にしすぎて本体を溶かさないように注意します。

うまくロウ付けできれば、あとは酸洗い工程、磨き工程、ロジウムメッキ工程、洗浄乾燥検品と進みます。




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はっきりと分かるロウ目 [拡大]

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サイズ直しにお預かりしたプラチナリングです。

ロウ付けした箇所がはっきりと見えるほどに黒くなっていました。
大気汚染がひどい環境ならば割と早い目に混ぜ物の卑金属が錆びてこのようになるかもしれませんが、なにか薬品が付いたのかもしれません。

サイズ直しの依頼ではない時にこれをきれいに見えるようにするには、酸処理してからバフで磨きあげるか、黒いロウ目にノコ刃を一度通してから錆びないロウを選んで再度ロウ付けするか、ロジウムメッキを施して表面全体の色をプラチナ色にする、などの選択肢があります。

この品はサイズ直しをする時に黒いロウ目を取り去ります。

また、よく見ると、バフ仕上げがされていなくて、ヘラ仕上げでフィニッシュしています。
昔に作られた古い指輪ではよく見かけましたが、最近では珍しいです。

でも、純金指輪には今でもヘラ仕上げを最終工程とすることがあります。




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作業の前によく観察します [拡大]

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爪の下のシェルに欠けそうな部分があったり、折れて取れてしまいそうなヒビがあったり、真ん中あたりに何本かヒビがあったりします。表側はきれいです。

これはアラ探しをしているのではなくて、シェルカメオは自然素材ですので、どこにどのような特徴があるかを前もって調べて、欠けやすかったり割れやすかったりする箇所を先に把握して、割らないように大切に扱うためにルーペで全体を確認しているのです。

大事に大事に身につけられていても、使っているうちに欠けたりヒビが入ったりキズがついたりすることは普通のことですので、あまり気になさることもありません。

撮影したこの時点では、瞬間接着剤でシェルとK18ゴールド枠が固着されてしまっていることが最大の難関です。

でも、今はもうきれいに外れていますので、ご安心ください。






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シェルカメオを外します [拡大]

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シェルカメオを外す前に枠を確認してみると、半分ロウ付けのロウが回っていないのと、半分爪が折れかけているものがあることが分かりました。

なんとかうまくカメオを外してみます。




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ダイヤモンドをはめ込んでるところ [拡大]

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チタンにダイヤモンドを石留加工している時の途中画像です。

直径1.0ミリのダイヤモンド横の0.5ミリ位のチタン地金を2つに分けて0.25ミリの大きさの爪を100個以上作りました。

ダイヤモンドの大きさが違ったりスペースが違ったりしますので、基本的な工程は同じですが、毎回工具や技法や手順が違ったりします。

1.8倍に見える拡大鏡を頭に冠って作業しましたが、1個でも爪が無くなれば失敗ですので初めから作り直すことになります。

いつも慎重です。





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