プラチナをヘラ磨き [拡大]
すでに二つに割れている宝石が伏せ込まれて落ちないで上部についているので、木槌は使えなくて、超音波洗浄もできなくて、機械の振動も与えられなくて、それでも指輪をきれいにして欲しい、とのご依頼です。
まず、ぬるま湯に長い時間浸けて汚れを柔らかくしてからブラシ洗いをしました。
プラチナ表面には小傷や深い傷が付いていて、その中に砂埃などがまだ詰まって残っているはずです。
宝石部分を指で押さえて、ほんの一瞬だけ指輪下部の宝石以外の三分のニくらいを超音波洗浄します。
あとは、宝石に力が加わらないように気をつけながら、ヘラで擦って小傷をつぶしていきます。
指輪全体の小傷を無くすにはかなり時間がかかります。
ヘラを握って前後に動かす指も痛くなります。
艶消し状態が少し光り始めて、さらに磨いてプラチナ表面にカメラのレンズが写るようになってきました。
でも表面が凸凹ですので、さらに磨きをかけて平らな鏡面にまで持っていきます。
割れやすい宝石がついているジュエリーを磨き上げるのは、大変な作業になります。
時間と根気とテクニックが必要です。