ブルートパーズの再接着 [修理]
ブルートパーズの穴に接着剤が詰まっていますので、直径0.6ミリ位のドリルで掻き取ります。
穴の直径自体は0.9〜1.0ミリ位ですが、ドリル刃を直接ブルートパーズに当ててしまうと、薄くなっている石の縁が欠けてしまったり、反対にドリルの刃が傷んだりしますので、穴より充分細い目の棒を入れてきれいに取り出します。
突き刺し金具のほうは0.5ミリの丸線をロウ付けしてありましたが、少し曲がっていますので真っすぐにします。
丸線をギザギザにつぶして引っかかりを作り、また先が広がることで抜けにくくなるよう加工します。
この辺は愛情マル秘テクニックです。
工具についていたかもしれない油などの成分を除去するために、アルコールで拭くか超音波洗浄をしてから、接着します。
突き刺し金具の棒よりも宝石の穴のほうが大きいので固まるまではかなりグラグラします。
接着剤をつけたまま机の上に放置してしまうと、曲がったまま固まってしまい、チェーンでぶら下げてみると明らかに歪んでいる状態に出来てしまいます。
そうならないように、バチカン金具から宝石の先までが同一垂線上に真っすぐに見える位置や角度を探し、接着剤が固まるまで手で持って、結果が最良になるバランスにします。
それぞれのパーツが正確に左右対称に形作ってあり、それぞれのロウ付け位置と角度が正確に作業されていないと真っすぐにはなりにくいデザインですが、これで接着作業は完了です。
透明石の場合は接着剤をたっぷり穴の奥まで詰めて空間部分を無くさないと、穴が目立ってしまったりすることがあります。
また掻き出したはずの古い接着剤が奥に少し残っていると、そこだけ白く見えてしまいますので注意深くきれいに掃除することが必要です。
完成しました。