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チェーンのロウ付け修理 [雑学]

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ホワイトゴールドのネックレスが切れたので直して、というご依頼です。

このような場合にはどうするか、といいますと…。

まず、アジャスタの中のドーナツ形シリコンが横を向いてしまっていますので、チェーンが通るように向きを正常に直します。
そして、ベネチアンタイプのチェーンを球状のパーツに上手に通します。

そこがうまく出来れば第一段階クリア。

次に、正方形っぽいベネチアンの片端のコマのロウ目を正確にカットして、口を開き、もう一方のきれいな形のコマにはめ込みます。
チェーンの幅は0.7ミリ弱ですので慎重に組み立てます。

きれいに出来れば第二段階クリア。

次は、切れ目のあるコマの部分だけをロウ付けします。
2コマはくっつきます。
が、それ以外のコマをロウで固めてしまっては上手な作業とはいえません。
また、チェーンが曲がって固まってしまっても失敗です。
薄い素材を熱で溶かさないように慎重に注意深く作業します。
WGは酸化で黒くなっていますから希硫酸で地肌を出します。

きれいにロウ付け出来れば第三段階クリア。

ロウ目がくすんでいますので、光沢を出すために磨き工程に入ります。
一分間に数千回転している布に研磨剤を付けて、チェーンをそっと当てて磨きます。
一瞬でも気を抜くとチェーンが布に絡めとられてブチブチに千切れます。
今風に言うと、チーン、です。古いかな…?

上手に磨くことが出来ると第四段階クリアです。

次は、超音波洗浄して磨き粉の油脂などを取り去り、更に脱脂をしてからロジウムメッキをします。
脱脂が不充分ですときれいにメッキが出来ません。
ていねいに洗浄と脱脂を繰り返し、ロジウムをホワイトゴールドチェーンの表面に析出させます。

厚くきれいにメッキ出来ると、人の肌に着けても大丈夫なようにきれいにチェーンを洗浄して、充分に乾燥させて出来上がりです。

チェーンのロウ付けという修理作業は、このようにして納品させていただけるようになります。






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