SSブログ

大きいものと小さいものを [ロウ付け]

**********

image.jpg
プラチナ小豆チェーンを重さのあるペンダントトップ本体に直接ロウ付けするところです。

位置と角度を選んで最適なところに固定し、フラックスを塗って、ロウを置き、トーチの炎でロウを溶かし、ロウ付けします。

位置は、ペンダントトップがうつむいたり曲がったりしない重量バランスの良いところを探します。
角度は、首から下げた時に違和感のない向きを探して決めます。
単純に適当にとはいかなくて、事前に注意深く検討します。

フラックスは最適な濃さにして必要な場所に適量塗ります。
酸化物除去のためですので、炎を当てる前に行います。

ロウは、溶けた時の体積を勘案して、ロウ付け個所に最適な大きさと場所を探して置きます。
この時は0.2×0.4×0.5ミリくらいのを置いています。

炎を当てる時は、フラックスが沸くとロウが躍って位置がズレますので、先に乾燥させてからロウ付けを始めます。

プラチナロウや銀ロウやハンダは、温度の高い方に流れていきます。
自由な位置にロウを流すには、本体とチェーンがほぼ同じ温度になるように炎の位置と強さを調節することが必要です。

昇温の時は、細いチェーンだけに炎を当てると先に高温になってしまいますので、体積のあるペンダントトップ本体だけをまず炙ります。
コインにマルカンをロウ付けするような時も同じ要領です。

700度位に温度を上げて、最適な位置にロウを流して、プラチナロウとプラチナペンダント本体との地金に合金をつくりロウ付けができると、ロウの成分が変わってしまうほど長く炎を当てたり高温にし続けたりしないで、速やかにロウ付けを終了します。


ここで、初めの画像で、チェーンとペンダントトップ本体とがくっついていることが不思議に思われる方もおありでしょう…。

昔は、チェーンと本体をピンセット二本でそれぞれを挟んで位置決めをしながら、ロウ付けをしていました。
実際の作業時には手が一本足りないので、台に固定された「第三の手」と呼ぶピンセットを使っていました。
または、からげ線と呼ぶ細いスチールの針金で本体とチェーンをくくったりしてなんとか固定してからロウ付けしていました。
とても不便でした。

これは仮着機を使って電気的にチェーンを本体に仮り付けしています。
瞬間的に電気を流して一部分を少しだけ溶かしてくっ付けているような感じです。
便利な機械を発明してもらって、両手が自由になるので作業がとても楽になりました。

…ということで、単純簡単そうに見えても実は結構たいへんな「ロウ付け」作業が上手くできますと、あとはフラックスを除去して、磨き仕上げをして、洗浄、乾燥をして、検品、完成です。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ファッション

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。