幸運のダイヤモンド [メンテナンス]
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センターのダイヤモンドが外れてしまったので、石留めをし直すご依頼をいただきました。
外出されている時にダイヤモンドが無いことに気づかれたのですが、お嬢様が足元を探されると偶然近くで光るものを目にされ、拾い上げてみるとまさにこの指輪のダイヤモンドだったそうです。
奇跡のようなお話しで嬉しくなりました。
拝見しますと、ダイヤモンドを押さえていた爪になるプラチナ地金がすり減って薄くなり、外力でめくれ上がって折れかけていました。
このまま爪地金を倒し直しても完全に折れてしまいダイヤモンドは石留めできませんので、工夫することが必要になってきます。
プラチナは融点が高く火を当てるとダイヤモンドが焼けてしまいます。
ダイヤモンド下部のキュレットを支えるお椀型パーツにもメレダイヤモンドが入っています。
指輪本体とお椀部分の接合部が細く、外力を加えにくいです。
…などの難条件があります。
メレダイヤを全部外して爪地金になるプラチナを追加ロウ付けするか、現在左右にある地金を彫金の技術でずらせて爪となる地金をはみ出させてくるか、またはレーザーでプラチナ地金を盛り付けるか、いずれかの方法できれいにしっかりと修理加工をしたいと思います。
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