マザーパールブローチ [メンテナンス]
ずーっと昔、ブランドもののブローチが壊れて修理に持ち込まれたことがあります。
見ると、接着剤が劣化して金具が外れただけ。
接着剤をしっかり付けて、固定できたものを納品しました。
お客様の一言。
接着剤がはみ出てるのね。
接着面積を広くしようと思いましたのできれいにはみ出させました。
それで終わったことでしたが、帰られる後ろ姿から、接着剤が見えない状態にしてもらって、どのように固定されているかが分からないようにして欲しかった、という心の声が聞こえたような気がしました。
見映え最重視ということでした。
それ以来、接着剤ワークにはかなり気を使っています。
固定接着、充填接着、化粧接着、と、いつも3回接着剤をつけます。
瞬間接着剤を一滴1秒で付けて終わり、というわけではなく、品物のクリーニングをまず済ませてから三段階の接着作業に入りますので、いつもかなり時間がかかります。
基本は接着剤が縁から見えないことですが、必要な場合ははみ出させています。
接着ワークの最終仕上げには気を配っています。
このブローチは隙間の無いように見えるマザーパールの接着がポイントです。