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プラチナ ブラックオパールリング [サイズ直し]

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リング下部をカットして必要寸法を広げました。
このリングも丸くはならないデザインです。

左の画像の時、指輪の肩より上の地金を動かすと、石が割れます。
サイズ棒に通して大きく広げると、石座や爪の位置が動いてオパールに力がかかり、硬くはないオパールが割れる可能性は非常に大です。
腕の切り口を持って左右にねじると、石座の形が変わって中石に力がかかり、オパールは割れます。
腕を丸くしようと芯金に突っこんで、腕を木槌でコンコン叩くと、振動でオパールが割れます。

では、初めに4本の爪を起こしてオパールを外してからサイズ直しをすればいいではないか、とお気づきの方もあろうかと思いますが…、それがダメなんです。

もっと小さい宝石の場合はそれも有効なのですが、ここまで大きいと、石を外して安心して芯金に突っこんできれいに指輪をまん丸にしてしまうと、一番地金の薄そうなオパールの中石座が細長く歪んでしまいます。
両肩のダイヤモンドが入っている部分の地金が一番厚くてしっかりしているんです。
0.5ミリでも縦長に形が変わってしまうと、もう別の宝石のための石枠になってしまいますので、オパールを外す選択はしませんでした。

また、オパールはルビーなどに比べると熱に弱いので、ロウ付け時にも細心の注意を払って作業します。オパールの2センチ横は1000度位の熱さになります。オパールをしっかり指ではさんで、リングを伝って熱さが回ってこないうちに短時間で作業します。熱伝導率の低いプラチナだから可能なことです。素材がシルバーの場合だと、オパールも指も焼けてしまって、無理です。

中の画像は、必要地金をはさんだところ。まだロウ付けはしていません。

右の画像は、ロウ付けもヤスリ作業も終わってキサゲが済んだところ、です。
あとは指輪枠の表面研磨です。

大きくてきれいなブラックオパール、魅力的でございます。



タグ:オパール
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金色のパールの心棒が… [メンテナンス]

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ゴールデンパールのリング枠をきれいに仕上げるために、真珠を外しました。

よく見ると、穴に入っていた棒がありません。
接着剤を弱らせてから回し抜いたはずでしたが、ネジ切れています。

原因は、接着剤が弱り切っていなかったか、心棒の根元にキズがあったか、心棒がすでに回されていたか、穴と心棒の直径がピッタリ同じで食い込んでしまっていたか、などが考えられます。

いずれにしても、真珠の中に残ってしまっている心棒を抜くか削り取るかしないとダメです。
指輪にロウ付けして心棒を立てないとダメです。

これはシルバーに純金メッキをしてある品ですので、ロウ付けの熱で指輪は真っ黒になります。
ですので、しっかりきれいに磨いてから純金メッキを厚く施し直します。

見積もりには予定していなかった作業が大幅に増えますが、ずいぶんお世話になっているかたですし、黙ってサービス。

もう少しお時間をくださいね。


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